こんにちは。
タクシーの仕事をしていると、
「こんなところに、こんなものがあるんだ」
「この建物は何だろう?」
という発見にたくさん出会います。
特に、江戸時代から残る立派な石垣に囲まれた場所などは、もうロマンのかたまりです。
先日、アプリの迎車で港区三田へ行きました。
お迎えの時間まで少し余裕があったので、「この立派な門構えは何だろう?」と近くまで行ってみると、そこには「イタリア大使館」の文字がありました。

実は東京の大使館には、江戸時代の大名屋敷跡に建っているものが少なくありません。
江戸時代、大名たちは江戸城に近い現在の港区や千代田区周辺に、広大な屋敷を構えていました。
明治維新によって幕藩体制が終わると、こうした大名屋敷の多くは役目を終え、政府や華族などの所有へと移っていきます。
その後、外交が本格化すると、大使館には「都心に近い」「敷地が広い」「警備がしやすい」といった条件が求められました。
そこで、広い敷地や庭園を持つ旧大名屋敷は、大使館を置く場所としてぴったりだったのです。
現在のイタリア大使館もそのひとつ。
ここはかつて、伊予松山藩・松平家の中屋敷があった場所です。
そして驚いたのが、ここが**「忠臣蔵」と深い関わりのある場所**だったこと。
吉良邸への討ち入りを果たした赤穂浪士のうち、大石内蔵助の長男・大石主税を含む10人がこの屋敷に預けられ、最期を迎えた場所なのだそうです。
現在も大使館の敷地内には、赤穂浪士をしのぶ石碑が残されています。
残念ながら大使館の敷地内を自由に見学することはできませんが、いつもの仕事の途中で、ガイドブックではなかなか出会えない東京の歴史をリアルに感じられる。

これも、タクシーという仕事の醍醐味のひとつだと思います。
何百年も前には、この場所で歴史に残る出来事があり、今ではそのすぐそばをタクシーが走り、人々が普通に仕事をして、ごはんを食べて暮らしている。
そんな何気ない日常にも、改めて感謝したくなりました。
まだまだ暑い日が続きます。
皆さま、どうぞお身体をご自愛ください。